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県立芸大の違法行為確定

8月終わりに労働委員会から沖縄県に対して命令が出されました。
非常勤講師ユニオンから求められた団体交渉を県立芸大が拒否したことは「不当労働行為」であること、つまり労働法に違反したと断定され、労働委員会から県に対して、交渉に誠実に応じるよう命令が出されたのです。

それに不服がある場合には、東京の中央労働委員会に申立てをすることができますが、その期限が木曜日で切れました。申立ては行われなかったので、県立芸大の違法行為が確定しました。
あとは、命令そのものの取り消しを訴えて告訴する方法も残されていますが、それは確定したものを取り消すという手続きですから、ひとまず現時点で違法行為であることは決定です。

詳細について、ぜひ以下つづきをクリックして、大学等非常勤講師ユニオン沖縄の見解をお読み下さい。

沖縄県労働委員会の「救済命令」とユニオンの見解

                    2008年9月11日
                    大学等非常勤講師ユニオン沖縄
                   (執行委員長 平井 真人)

 昨年(2007年)1月、沖縄県立芸術大学は、大学等非常勤講師ユニオン沖縄が求めた団体交渉を拒否しました。組合員(委員長)の勤務時間が2年間で4分の1に大幅削減され、収入も同様に激減したにもかかわらず、その問題について県立芸大は団体交渉を拒否したのです。
非常勤講師ユニオンは、昨年6月、沖縄県労働委員会に対して不当労働行為救済申立を行い、1年以上にわたる審査を経て、労働委員会は8月27日付で救済命令を発しました。その中で労働委員会は、県立芸大の行為は正当な理由なく団交を拒否した不当労働行為にあたり違法であると断定し、非常勤講師ユニオンが要求した団体交渉に誠実に応じなければならないという命令を沖縄県に対して発しました
非常勤講師ユニオンは再審査の申立てをせず、県立芸大に対して、この命令に従って団体交渉に応じるよう求めていきます。

 法令遵守の範を示すべき立場にある沖縄県の組織が、何ら正当な理由なしに団交を拒否し、労働委員会から命令を受けたことは、沖縄社会にとって極めて深刻な問題です。非正規労働者の待遇を改善していくことは、政治的立場の違いを超えて、これから社会全体が取り組まなければならない重要な課題になっています。そのためには、労使間の誠実な交渉によって改善策を見出していく努力が不可欠です。労使双方に交渉を促すことは労働法の基本的な理念であり、そのため使用者には団体交渉に応じる義務が課されています。それは、労使間で合意形成を図り社会的公正を実現していくうえで、不可欠な、そして最も基本的なルールです。
ところが県立芸大は、それを踏みにじって団体交渉を拒否しました。さらに昨年2月、非常勤講師ユニオンの申請により労働委員会で斡旋手続が行われた際にも、県立芸大はユニオンとの交渉を頑なに拒否し、斡旋は不調のまま終了しました。そのため非常勤講師ユニオンは、やむを得ず、不当労働行為救済申立を行いました。
そして労働委員会での審査においても、県立芸大は法的根拠のない主張を繰り返しました。県立芸大は、団交拒否の当初から、非常勤講師の委嘱は「管理運営事項」にあたるため交渉事項にはならない、と主張してきました。しかし労働委員会の命令書がきわめて明瞭に述べているように(16~17頁)、たとえそれが「管理運営事項」であっても、その決定によって労働条件に影響が出る場合には団交事項として扱われるということは、労働法の「常識」に属する事柄です。県立芸大は、その「常識」を無視して、あるいは知ろうともせず、説得力のない主張を続けました。
また県立芸大は、非常勤講師の委嘱は教授会において決定されるので「大学が処分可能なものとは言えず、義務的団交事項にあたらない」と主張しました(命令書17頁)。大学の教授会で決定されると説明しながら、それは大学によって決定できない事項だと主張することは、まったくもって意味不明であり、責任逃れの言い訳にしか聞こえません。もちろんその主張は、労働委員会によって否定されました(命令書17頁)。
さらに県立芸大は、ユニオン委員長に対して電話による説明を行ったので団体交渉に応じる必要はなかった、とも主張しました(命令書18頁)。団体交渉の意義を否定するに等しいこの主張も、もちろん労働委員会によって一蹴されました(命令書18頁)。
県立芸大がいかに労働法を軽視し、使用者の義務を果たそうとしなかったのか、これらの事例が端的に示しています。そして沖縄県は、県立芸大のこのような対応を漫然と放置しました。

 今回の救済命令は、県立芸大にとどまらない問題です。沖縄県の組織が団体交渉を拒否し、責任逃れの不当な主張を展開し続けたことは、県内の大学で働く非常勤講師は言うまでもなく、県内労働者の4割を超えるすべての非正規労働者にとって、他人事ではありません。これから非正規労働者の権利をしっかりと認め、労使間の交渉を通じて待遇改善を図っていかなければならないときに、法令遵守の範を示すべき行政の組織が、平然と労働法を踏みにじり、労働委員会から命令を受けました。もしもこのような行為の責任が問われないのであれば、この社会において、労働法によって定めされた使用者の義務が遵守されていくとは思えません。非正規労働者の権利が守られるとは、とても思えません。
 命令を受けた県立芸大および沖縄県には、なぜ不当労働行為をおかしてしまったのか、誤った判断を繰り返した責任は誰にあるのか、労働法を遵守するためにどのような再発防止策を講じるのか、県民に対して明確に示していく責任があるのではないでしょうか。

 なお非常勤講師ユニオンは、救済申立において、組合員(委員長)の勤務時間の大幅削減そのものが、権利主張や組合結成の動きに対する嫌がらせと妨害であり、不当労働行為にあたると主張してきました。命令書においてその点が認められなかったことは大変残念ですが、命令書に対して失望はしていません。
 本来この問題は、誠実な団体交渉によって解決を図っていくべきものです。不当な団交拒否によって、交渉の申し入れからすでに1年半以上が経過し、その間事態がまったく進展しなかった責任は、すべて県立芸大にあります。県立芸大は、その責任を十分ふまえて、誠実な対応策を提示しなければなりません。
 非常勤講師ユニオンは、あらためて県立芸大に対して誠実な団体交渉を要求し、交渉を通じて解決を図っていきます。今回の命令書によって県立芸大の不当労働行為が明確となり、団体交渉に誠実に応じるよう命令が下されたことは、非常勤講師ユニオンにとって大変重要な意義があり、また沖縄社会に対して大きなメッセージになると考えます。