NYで実施されたイラク戦争反対のデモに、合意してないプロジェクトも参加して来ました。その報告を以下に転載します。
<TYさんからのレポ>
みなさまこんにちは。
先週の日曜、18日にニューヨークで行われた反戦集会で、『合意してない』ブースを出させてもらったTYです。報告が大幅に遅れてしまいました。すみません!!今ごろですが感想など少し書かせていただきます。
前日の夜にミシガンからSFさんが飛行機で駆けつけてくださいました。我が家に到着してから色々なお話をして、初めてお会いするのに思いがけない楽しい夜を過ごせました。それから、翌日のためのブースの売り物の打ち合わせなども。中でも私が土曜日の日中にステンシルで作ったTシャツを見てFさん一言、「ホントに作ったんだー」(笑)。そうです、ほんとに『YANKEE STAY HOME, READ A BOOK』と書かれたTシャツ10枚ほど作ってしまいました。果たして売れるのでしょうか。それとも殴られるんでしょうか。
Fさんはミシガンから『海にすわる』のDVDと『もう、いらない』のポストカードを持ってきてくださいました。そして、『辺野古アクション』(写真と文で説明された、とってもきれいな冊子)とこちらで作ったフライヤー、ポスターでのぞみます。フライヤーは、在沖縄米軍基地の存在・合意してないプロジェクトを説明するものと、Marines Go Homeを紹介したもの、の2種類用意しました。
日曜日、寒くて風が強いです。最高で摂氏5度だそうです。残念。でも空はカラッと晴れました。
1時ごろ、私とうちの旦那で準備のためブースの設置場所に向かい、Fさんとお友達はデモの出発地点へ向かいます。デモは2時から始まり、約1時間半でブースの集まるプラザに到着の予定です。デモの最中、ブースには誰かが待機していなければならないということで私はデモで歩くのを免れ。。いや、諦めたんですが、デモはとても楽しかったそうです。(SFさん、ご報告をお待ちしております!)
ブースのほうは、通りの1ブロック全体に細長く続く広場的な場所で、各団体のテーブルがぞろぞろと並びます。40ぐらいのブースが集まったらしいです。私の周りのテーブルのみなさんは慣れた手つきでブースの飾り付け、フライヤーや物販の設置をこなして行きます。自分の準備の乏しさを目の当たりに。でも隣のTシャツショップのおじさんが優しく、強風で物を飛ばされないように手助けをしてくださいました。
さて、風に飛ばされたりしているうちに、3時半ぐらいになってデモの先頭集団がプラザに到着し始めました。目立つ服装をした人々がどっと流れ込んできます。寒かったのが急に人の波で暖かくなりました。こちらのブースは、やはり今までの集会で目にしたことのなかったトピックというのもあってか、興味津々でいろいろな質問をしてくれました。大抵は、「あなたたちは何をしているの?」という質問がまず最初に飛んできました。U.S. TROOPS OUT OF OKINAWAと大きく紙に書いたものを貼ったのですが、強風対策のために張った場所が目立たなくなってしまい、遠くから見ると何を訴える団体なのかよくわからない、という印象があったようです。テーブルの前面に掛けたYANKEE STAY HOME, READ A BOOKのTシャツばかりが目立ってしまったかもしれません。反省するべき点です。しかし、しばらくの間は常にブースへ来る人が絶えなかったと思います。印象としては、「まだ沖縄にいるの?」という質問が多かったです。「まだいるの?信じられない」という言葉もいくつか出ました。「どのくらいの兵士がいるの?」とか具体的な質問には自分では答えられなくて、旦那(イスラエル人の日本史専攻の学生です)に助けてもらうことになる場面もありました。それから、「なんでいるの?」という質問にはやはり、政府の考えやポピュラーな一般論として言われている「安全のため」という文句等を引用したうえで、表ではそう言われているんですがね、という日本の中にある矛盾を説明する、という形になったかと思います。反戦集会に集まる人々の中でも知られていないんだな、と感じることが沢山ありました。
『辺野古アクション』をめくって説明したりもしました。実際に海の上で建設阻止の運動をしている、ということに驚く人たちがやはり結構いました。
ある物静かなおじさんが一人、興味深そうにゆっくり物販やフライヤーを一通り眺めて、ぼそぼそっと何か話し始めました。日本政府に対する批判でした。彼の頭には、日本人がここでこういう運動をやっている=アメリカの政策に『日本』を代表して反対している、という構図があったようです。(ちがーーう!)そこで、私たちが訴えているのは単にアメリカ反対、ということではなく、日本政府の基地に対する協力も念頭においた抵抗である、ということを伝えようと努力しました。伝わったかどうかは定かではありません。。でもこれを通して思ったのが、やはりこの日この場所で伝えるべきメッセージは、まず、アメリカに対して出て行ってください、と訴えている人がこれだけいる、とか、沖縄の人々の生活を見てください、いうことではないかとなんとなく自分の中で思っていたので、大抵の人には、単純に「対アメリカ」の運動に見えたかもしれません。だからといってそれが批判の対象になる、ということではないでしょう。多くの人に短時間でわかりやすく伝えるというのは単純に伝えるということになってくるので。でもやっぱり問題の本質をわかってもらう、という点では難しい課題だなと感じました。やはり、沖縄や日本各地にある基地の存在自体があまりにも知られていない( 反戦デモに参加する人々の間でさえも)という事実は、少しショックですが、問題を一から伝えてから、という作業が必要なのだと思いました。
正直な話、私は『伝言係』として動いている、というのはすごく感じたし、その点でブースに来る人が私に「沖縄のひとなのね」、と言ってきたところで、いや違うんです、と伝えるときに居心地悪い感じがしたのも認めなければいけません。(なんで自分はこの問題に関わるようになったか、とある人に尋ねられてそれを説明する、という場面までありました。)でも自分はこういう立場で間接的なアプローチをしている、ってすっきりと割り切ってしまう、というのが逆に心地悪くもあるのです。でも自分の現状は、やっぱりさっぱり割り切っているんです。(独り言ですいません(笑) 伝言係、と感じる理由は、沖縄での、日本での現状やこの運動の本質を自分が充分に把握していないからというのももちろんあると思います。想像力と、スピーチ力をもっとつければもっと人に伝えることができると思います。もっとみなさんとつながって行かなければいけない、と改めて感じました。
話は変わって、ニューヨークをベースに活動する他の団体の人たちとも出会う機会がありました。隣のブースにいたのは、在フィリピン米軍基地に反対する若い人たちで構成されたグループ。物販の設置が終わった頃に真っ先に私たちのブースに来てくれて、連絡先を交換しました。彼らは以前からNYベースのキャンペーンを広げているようで、彼らの開くイベントにも是非来てよ、と言ってくれました。そして、連帯していきましょう、と約束。
そして、韓国のおじさんが一人、声を掛けてくれました。平澤のことを話してくれました。彼からも連絡先をいただきました。
物販のほうですが、Tシャツが4枚、『海にすわる』1枚、葉書が2枚売れました。Tシャツは私個人の勝手で作らせてもらったんですが、Tシャツの言葉を見て「そうそう、そうだよね」と同意する人や、いいね!と喜ぶ人が多く、嬉しかったです。個人的には、こういうアプローチの仕方、好きです。見た目のいいものでジリジリと愛想よく近づく、というか、消費主義にうまく乗って、といわれればそうかもしれませんが。。。(あーやっぱりアメリカ生活から得たものってこれなのか)
とにかく当日はドタバタしてしまって、きちんと報告できてませんが、お許しください。でも、嬉しい、面白い出会いが沢山ありました。これから声を上げていくための大きな力になっています。まだまだこれから学ぶことが沢山あります。
ありがとうございました。長文乱文失礼いたしました。
TY
-----------------------------
<SFさんからのレポ>
デモ行進は、午後2時からミッドタウンを2時間弱かけて練り歩きました。 公式発表の参加人数は分かりませんが、多くの人々・団体が参加して いて、それぞれの立場から反戦を唱えるという感じでした。教会関係、 学校関係、フェミニストのグループ、反戦・反基地運動に関わっている団体などなど。2年前にタイムズ・スクエアの米軍リクルート・センターの前で座り込みをして話題になったおばあちゃんの団体Granny Peace Brigadeも参加していました。
中には戦争支持のグループもちらほら見られました。道路の脇で顔を 隠して、「米兵は使命を果たして、それから帰ってきて」というメッセージを 書いた大きな横断幕を掲げていたりして、行進者の中から「使命って 何よ!」と声が飛んでいました。
ブースの様子は、Yさんが報告してくれた通りです。デモとブースの 様子を写した写真を添付しましたのでご覧ください。(ちょっと順番が 前後していますが) 売り上げ金の62ドル(Tシャツ4枚、DVD1枚、ポストカード2部)と、 以前ミシガンで集めたカンパは、近日中にそちらに振り込みたいと 思っています。
Yさんも言っていたように、沖縄以外での、沖縄出身ではない人に よる運動のあり方を、色々と考えさせられた一日でした。こだわる人は こだわるのでしょうし、もちろん何かと問題もあるのでしょうが、こうした 問題に対する認知度が驚くほど低いことを考えると、日本国内だけで なく海外でも、沖縄の問題を広く発信していく必要があるなーと痛感 しました。私個人としては「何もしないよりはマシ」という至極シンプルな スタンスで関わっていくしかないのではないかと思っています。
また何か機会があれば、Yさんたちやその他の人々と一緒に色々やりたいと思います。