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汪暉「琉球、戦争の記憶、社会運動、そして歴史解釈について」@『現代思想』9月号

今朝の沖縄タイムス学芸欄でも紹介されましたが、一件、案内させていただきます。

北京清華大学で中国近現代政治思想史の教鞭をとり、今日、中国だけでなくアジア全域、ヨーロッパなどでも活躍する代表的なアジア論の論者の一人である汪暉(ワン・フィ)さんが、ごく最近、沖縄について文章を書きました。「琉球、戦争の記憶、社会運動、そして歴史解釈について」です。

日本語訳が『現代思想』の最新号(9月号)に特別掲載されています。かなり長い論文ですが、前半は琉球の戦争記憶から社会運動のあり方から受けた印象や刺激について、後半は20世紀政治史の転換点であった1940年代から冷戦期を振り返って、という二部構成になっています。原文は、広東の学術批評誌「開放時代」に掲載されました。

現代中国の批判的知識人の沖縄論としては、すでに孫歌さんの「那覇から上海へ」(『読書』2006年4月、日本語『現代思想』2006年9月号)があり、辺野古がとりあげられていましたが、汪暉もまた、そうした訪問と交流から議論を組み立てています。二つの文体はかなり違いますが、「沖縄をアジアに開く」重要な手がかりとなるものだと感じます。汪暉自身、長く中国の批評誌『読書』の編集を担当し、世界のさまざまな新しい思潮を中国の議論のなかに引き込んできましたので、「琉球」をどう見ているのか、興味深いところです。

今回の論文のオリジナルが掲載された「開放時代」には、新崎盛暉「現代日本と沖縄」、岡本恵徳「水平軸の発想」の抄訳も掲載されています。最新号は「ガリレオ特集」なので書店では目立たないんじゃないかなと危惧しておりますが、機会がありましたら、ぜひ読んでいただきたく、紹介いたします。
WKBSCY